当事業所は主な就労活動としてWebサイト構築、パソコンセットアップなどの活動を行っています。
こころの樹穂高
TEL:0263-88-8725

こころの樹利用者 西澤尊将のこと

■こころの樹に来る前
1991年生まれ。松本市出身。
島内小学校を卒業して松島中学校に入学。
中学で上手くいかず中2の秋から引きこもる。
数学が好きだったので、家でそれだけをやっていた。
高校受験の時期になったがいける高校がなかった。
公立高校は出席日数が足りないので無理。
私立高校は月6万以上かかるので経済的に無理。
定時制の松本筑摩高校が候補に上がったが、高校に行く気はなかった。
担任の教師が色々と調べてくれて、都市大塩尻高校(当時は武蔵工大二高校)なら数学さえできれば学費がタダになる事を知る。
それで都市大塩尻高校に行ったが、結局学校という空間が無理だった。
家から自転車で島高松駅まで行って電車に乗ると吐き気がしてきた。
到着した塩尻駅のトイレで吐いてそのまま家に帰った。
一年生の終わり、進級するには出席日数が足りなかったが精神科で診断書を書いてもらって二年生に上がる。
二年生になっても何も変わらず、高校を辞めた。
それから一度も働かずに29歳になる。
就労継続支援の存在を知り、精神障害者手帳を取得する。
自分にできる仕事は何なのか考えながら、事業所を調べまくる。
数学が得意、という唯一の武器を活かせるのはプログラミングだと結論を出す。
通える範囲にある事業所でプログラミングができる所を探す。
こころの樹を知る。
とにかく不安だったのでHPを読み漁る。
雰囲気を知るためにブログ記事も全て読む。
餅つきしてたり、コスプレしてる利用者がいたりと、ユニークな雰囲気に惹かれる。
吃音があって電話が恐怖だったので、親に見学申し込みの電話を入れてもらう。
見学に行く前から既にこころの樹に通所することは決めていた。

■こころの樹に来てから
自宅から近い新橋の事業所に通い始めた。
新橋事業所は利用者が大体3、4人と少人数で、人が苦手な自分にとっては助かった。
ボードゲーム好きの利用者が昼休みに誘ってくれたので、自分もゲームに加わる。
不安もあったが、だんだん自分に合う場所だとわかってくる。
HTML,CSS,JavaScriptを学ぶ。
初めて触れるコードに戸惑うも、経験を積めばなんとかなりそうだと感じた。
ホームページ作りに携わる。
優秀な利用者リーダーと一緒に仕事をして刺激をもらう。
朝礼ではスピーチの時間があり、吃音があるので苦痛だったが少しづつ慣れてくる。
週一で農業もすることになる。
最初はとんでもない筋肉痛になり、農業の回数を減らしてもらったりした。
GAS,Python,PHPを学ぶ。
Pythonでスクレイピングのモジュールを自作する。
classの概念がよく分からなかったがPythonでclassを使い続けているうちに何となくわかってくる。
システム開発がスタートし、それに参加。
フロントエンドとバックエンドの知識に加えGit,Linux,SQL,docker辺りも学ぶ必要があって大変。
ヒーヒー言いながらも楽しくやっている。
知識をつけ経験を積めばできるようになるだろう。

■これからのこと
今まで狭い世界で生きてきたが、自分の特性を活かせる分野なら人の役に立てることがわかった。
あと自分には物事の好き嫌いというものがあまり無く、向いていることならばやりがいを感じられるらしい。
こころの樹は自分が想像していたよりもずっと思考のスケールが大きい事業所だった。
自分も今の思考の枠をぶっ壊そうと思う。
今後の目標はまずソフトウェア技術者で、その後にAI技術者。
AI技術者はソフトウェア技術者のスキルにプラスして
・Python(NumPy, pandas, matplotlib, scikit-learn)
・AIアルゴリズム
・数学(微分、線形代数、統計)
・英語(リーディング)
の知識が必要なので大変だろうけど、人生を賭けてみたい。
あと、これから先どんな進路に進んだとしてもこころの樹とはずっと関わり続けたい。